2014/09/12

クロアチアという国

今日は私がいま住んでいるクロアチアという国について少し紹介しましょう。完全に個人的な見解ですが。 

約20年前までは旧ユーゴ紛争でセルビアと戦争していたことから、日本でクロアチアにいると言うとよく「戦争している国?危険じゃないの?大丈夫?」と心配されますが、治安は日本ほどとまでは言いませんが、 かなり良好です。外務省の渡航情報では「地雷に注意してください」との記載がありますが、それは主に戦時中に国境添いに埋められた地雷なので、通常の観光スポットを移動する場合は全くといって良いほど地雷を気にする必要はありません。ちなみにクロアチア政府は近いうちにすべての地雷を除去する計画を立てていて、日本も援助金を拠出しています。現在では日本から年間16万人程度訪れるなどの観光立国です。 

過去3年間の滞在で、よく夜遊びもしていましたが、危険な思いをしたことは殆どありません。たまーにチンチョン攻撃を受ける日本人がいますが、クロアチア自体国際化された国ではないので、偏見を持っている人たちがいるのも仕方ないことでしょう。そんなことはヨーロッパにいるとどこでもあるので、私はもはや殆ど気にしていません (【チンチョン攻撃】:アジア人を見ると、中国語を真似た造語「チンチョン」を浴びせて小馬鹿にしてくること。)外国人にニーハオと言われて怒る日本人もいますし、私も最初は「おれは日本人だ!」とムキになっていましたが、よく考えるとそれは日本人が中国人を敵対視あるいは見下しているからに他ならないのではないでしょうか?クロアチア人に対して「ドベルダン」と言うか、「ドバルダン」と言うか、わからない日本人が殆どでしょう。クロアチア人だって単純に中国と韓国と日本の違いがわからない人が多いし、それがoffensiveであると知らない人も多いのではないでしょうか?ちなみにドベルダンはスロベニア語でこんにちは、ドバルダンはクロアチア語でこんにちはです。

クロアチア人は日本人を畏敬の念と偏見で見てきます。日本は近代化された経済大国で、アニメや漫画だけでなく、自動車、ロボット、その他ハイテク機械が進んでいる近未来的な国で、国民は勤勉であるという認識があると同時に、Japanska Bubaというクロアチアのアニメに代表されるように、日本人=背が低く、いつも群れを作ってちょこまかとしているという偏見を持っています。これはザグレブで暮らしていて目につくアジア人の群れを見ると偏見というよりも、事実なような気がしますが・・・。さすがに先週タクシーに乗った時、途中でATMでお金をおろしに降りたときにドライバーが彼女に「アジア人のくせにそんなに醜くないじゃないか。それにしても何でアジア人と付き合ってるんだ?」と言っていたと聞いてそのタクシー会社には抗議のメールを入れましたが。

クロアチア人のメンタリティはイタリア人のそれと似ているとよく言われます。仕事はほどほどに、遊びは全力で、といったところでしょうか。消費者側としては何をするにもうまくいかないのでイライラしますが、労働者としては働きやすい環境と言えるのでしょうか。。とにかく、町中至る所にカフェがあり、昼夜・老若男女問わず、コーヒー一杯で延々と世間話を続けます。「こんな時間にコーヒー3、4時間も飲んでるけど、あなた、仕事は何をしているの?」と聞きたくなることがよくあります。

首都ザグレブに国内の主要な企業が集まっていますが、夏場、とりわけ7月から8月にかけて町はすっからかんになります。なので7月、8月は全く仕事になりません。それはみんなが海岸沿いにバカンスにいくからです。夏に1ヶ月程度のバカンスを取って海辺でワインを飲みながらゆったり過ごし、日焼けする。それがクロアチア人の愛するライフスタイルであり、ステータスでもあるのです。

クロアチアの主な観光スポットはザグレブではなく、アドリア海に無数に浮かぶ島々や、スプリット、ドゥブロヴニクのような沿岸都市です。




これらはドゥブロヴニクの旧市街。
夏に訪れると、観光客ばかりなのであまりクロアチア人観光客に出くわすことは無いでしょう。


これはスプリットのディオクレティアヌス宮殿内。
ご覧の通り、こちらも夏場は観光客でごったがえしています。
(手前のカップルはさておいて、奥のタンクトップの男性も確実にクロアチア人ではないです。おそらくオーストラリア人。帽子や服のスタイルで、大体どの国かがわかるようになったのは、経験によるものでしょうか。)

ドゥブロヴニクやスプリットは観光客にとってはマストであることは違いありませんが、
やはりレストランやホテルも観光地プライスになっており、平均月給7、8万円のクロアチア人はあまりそうした観光スポットにいくことはありません。
そうした場所から1時間や2時間程度車を運転すると、海と木々に囲まれたこぢんまりとした町が点々とあります。
そうした場所にクロアチア人はセカンド・ハウスを持っていたりして、リラックスした日々を過ごしているわけです。


そして海の透明度もやはり観光スポットよりも、少し郊外に出た方が透き通っていることも、もはや言及する必要は無いでしょう。


クロアチアに住んでいる時から考えているのですが、こうした奇麗な海がある国は、メンタリティがゆったりしている国が多いのです。
考えても見ると、クロアチアやイタリアだけに限らず、タイやハワイだって、あんなに暑かったら毎日せかせかと働く気が失せるでしょう。もう仕事なんてやめてビールが飲みたい!なんて。人間の自然な反応なのではないでしょうか。

東京も奇麗な海さえあれば、もう少しゆったりとした都市になっていたのでしょうか・・・。

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